カホンづくりワークショップで一番時間をかけてほしいのが、「響き弦の調整」です。
箱の大きさや、打面の樹種、背面のサウンドホールは、いわば1度決めてしまったらほとんど変えようのない要素です。
しかしながら、響き弦はいくらでも調整の仕様があり、調整次第で様々な音色を出すことができます。
今回は、ワークショップを通して感じた響き弦についての考えと、それをどうカホンキットに落とし込んでいったのかを解説していきます。
目次
カホンに「たった一つの正解」なんてない
カホンの音作りにおいて、私が最も大切にしていること。それは、作る人が「自分の好きな音」を手に入れることです。
「ジャラジャラと派手に鳴らしたい」 「低音を邪魔しない程度に、繊細に響かせたい」
音の好みは人それぞれです。だからこそ、あいはらの木のキットは、あえて「この位置で固定してください」というガチガチの制限を設けていません。
400名以上のワークショップ参加者を見てきましたが、一人として同じ「理想の音」を持っている人はいなかったからです。
400名以上の「こだわり」に伴走して見えた、調整の醍醐味
ワークショップでは、組み立てが終わった後、30分以上近くかけて「音の調整」に没頭される方もいらっしゃいます。
打面のネジを1/4回転ゆるめるだけで、驚くほど音が変わる。スナッピーの当たり方をほんの少し変えるだけで、表現力が劇的に広がる。この「自分好みの音を探す時間」こそが、カホン作りの一番の楽しみです。
「初心者なのに、自分で調整なんてできるの?」と不安に思うかもしれません。しかし、400名以上の皆さんが、最後には自分なりの「これだ!」という音を見つけて笑顔で帰られています。
それは、キットに「失敗せずに、試行錯誤を楽しめる余白」を設計しているからです。
なぜ、あいはらの木のキットは「音を追い込める」のか
初心者が自作で音を追い込もうとすると、多くの場合、一度固定したパーツを外せなくなったり、調整の過程で板を傷めたりしてしまいます。
私たちのキット「想-OMOI-」は、400名以上の参加者が「もっとこうしたい」と試行錯誤してきた声を反映し、「後から何度でも、直感的に微調整ができる構造」にこだわりました。
-
自由度の高い構造:様々な製品のカホンを見たり分解して勉強した中で得た知識をつかって、特別な知識がなくても、弦の当たり具合を直感的に変えられる仕組みを採用しています。
-
「音の幅」を保証する素材: 私たちが選んだシナ共芯合板は、非常に素直に反応する材です。だからこそ、あなたの細かな調整がダイレクトに音に反映され、調整の楽しさを実感できるのです。
400名以上の「耳」が、この自由度を作った
ワークショップでは、参加者同士で音を聴き比べ、「あなたのカホン、いい音ですね」「もう少しネジを締めてみようかな」といった会話が生まれます。
この「納得がいくまで追求できる環境」を、自宅でのキット体験にも再現したかった。
私たちが売っているのは、完成された一色の音ではありません。あなたが自分の耳で選び、自分の手で作る、「世界でたった一つのあなたの音」を創り出すための、最高級の画材(キット)なのです。
最後の1ミリを決めるのは、あなたです
図面通りに組むのは「作業」ですが、自分の好きな音を探すのは「演奏」の始まりです。
400名以上の成功体験が、あなたの「こだわり」をしっかりと受け止めます。
「こうしなきゃいけない」という型に縛られず、あなたが最高だと思う音を、自由に追い込んでみてください。あいはらの木のキットなら、その想いに必ず応えてくれます。













コメントを残す