素材の厚さによるカホンの音と組み立て難易度について

カホンを組み立てる際に、気になるのが「音質」「強度」だと思います。

何種類かの厚みで作ってみて「音の厚みと強度は共に素材の厚みと関係している」と感じました。

それと同時に厚くなればなるほど組み立ての難易度が下がる代わりに、カホンは重くなります。

 

あくまでも私が感じた感想を書かせていただいているだけで、数値的なものは出せません事をあらかじめご了承いただければと思います。

 

この記事では、使用する材料による音と組み立てについて解説させていただきます。

素材は全て私が一番オススメしている「シナ共芯合板」を使用しました。

厚みはそれぞれ 12㎜ 15㎜ 18㎜ の3種類です。

作ったカホンはすべて300㎜×300㎜×450㎜の標準サイズでスナッピータイプ、響き弦の取り付け位置、サウンドホールのサイズと位置はすべて同じ位置にしました。

 

12㎜のシナ共芯合板

12㎜の共芯合板での組み立ては、素材の薄さがゆえになかなか苦労しました。

板は真っすぐにカットしてありますが、カホンのサイズが大きいのもあってかボンドで貼り付ける際にしっかりと立たせて接着するのが大変でした。

接着がきちんとできたとしても、箱としての強度がボンドだけではやはり少し心もとなく、乗ったら壊れてしまうのではないかという印象でした。

強度の不安を解消するためにカホンの四辺に補強の棒を入れ、ビスで固定しました。さすがにビスを入れるとかなり安定しますね。

さらに打面、背面をつけることでさらにカッチリし、強度の不安はなくなりました。

出来上がったカホンの音ですが、なんだか物足りなさを感じるというか、なんといいますかヘッコリした印象の音でした。決して気持ちのいい感じの音ではないです。

最初は、カホンの内部の空間の大きさが低音の重さを決めると考えていました。ゆえに同じサイズで薄い素材を使えば、それだけ内部空間が広くなるため12㎜の合板の方が15㎜、18㎜より重い低音がでるものかと思っていたのです。

しかしながら、実際に作って叩いてみるとなんだか絶妙に気持ちの悪い低音感でした。

さらに打面と背面を止めるネジの位置も12㎜だとかなり狭く、ほぼ打面の際にネジがあるような感じになりました。少しでもズレると箱材側面にネジが入らず内側に逃げてしまいます。

さらに、面取り(カンナなどで削って丸みをつけること)もネジの位置が外側過ぎて干渉してしまうためある程度までしか丸みをつけることができません。

 

12㎜の合板では組み立て難易度も上がり、補強のパーツも必要になる、さらに低音もあまり気持ちの良いものではないものが出来上がりました。

良い点は、15㎜、18㎜より板の値段が若干安いということですかね。

 

 

15㎜のシナ共芯合板

15㎜のシナ共芯合板は組み立てに何ら苦労することはありませんでした。

15㎜もあれば真っすぐ切断した板であれば、立ててもかなりしっかり自立します。

取り付けは「木工用ボンド」のみです。

ある程度の面積をしっかりボンドで固定できれば、補強はまったく必要ないと感じます。

木工用ボンドの力はとても強く、しっかり接着できた素材同士を無理やり剥がそうとすると木の繊維から割れてしまうほどの力があります。

下の写真はボンドでしっかり接着されたものを無理やり力ではがしたものです。ボンド部分ではなく、木の繊維の部分から裂けているのがお分かりいただけると思います。

それだけ正しく接着された木工用ボンドの力は強いのです。

ではなぜ12㎜だと不安だったのか?それは単純に木工用ボンドを取り付ける接着面積が少なすぎるからです。

極端な例でいえば、瞬間接着剤を1滴たらして固定するのと、瞬間接着剤を面で塗って固定するのとの違いだと思っていただけるとわかりやすいかと思います。いくら瞬間接着剤でも1滴では不安になりますよね。

15㎜もあれば、しっかり固定しさえすれば接着強度は十分に感じます。

さらに打面と背面をつけてしまえば全く問題はありません。むしろ足につけるゴム足などの方が先にやられてしまうほどです。

12㎜の時にあったネジの位置の問題も15㎜であればかなり余裕がでます。カホンの周りの面取り(カンナなどで角を削って丸みをつけること)をしてもネジに干渉することはありません。

音的にも12㎜と比べると気持ち悪さが消え、明らかに重い低音が出ました。

特に何の不満もなかったのが15㎜のシナ共芯合板でした。

 

18㎜のシナ共芯合板

18㎜のシナ共芯合板も15㎜と同じく組み立ては全く苦労しませんでした。

板がしっかり自立してくれるので素材の厚みがある分だけ組み立ては楽になりますね。

強度もバッチリです。

音もいい低音が出ます。

ネジの位置も何の問題もありませんでした。

ただし・・・

重い!!!とにかく重いのです。

持ち運びを想定するとあまり現実的ではない重さのカホンが出来上がりました。

音は特に文句ないのですが、それらを帳消しにするほどの重さゆえに私はあまりお勧めしません。

更に、付け加えるのであれば板の値段も結構お高めです!!!!

 

まとめ

今回はシナ共芯合板という同じ素材で厚み違いでの検証結果を記事にさせていただきました。

厚みによって音だけでなく組み立て難易度も変わってきます。

当たり前ですが、素材が薄くなれば値段は安く、厚くなれば高くなります。

そんな中でも一番作りやすく、音もいい感じの15㎜をオススメします。
(このことから、あいはらの木のカホンキットは15㎜シナ共芯合板を使用しています)

 

あなたのカホンづくりの参考になれば幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です