カホンの材料は「合板」を使ったほうが良い理由

カホンを作る際に、悩む最初のポイントが「素材・材料」ではないでしょうか?

 

別に下のような記事を書きましたが、その後いろいろ検証した結果、やはり自作カホンで失敗しないためには合板が一番良いという結論に至りました。

カホンと相性の良い材料は何??一番多く採用されているのは「合板」です

 

なぜなら、やはり木の特性である反りや割れのリスクが一番少ないからです。

木の反りは作成時の精度に、割れは出来上がったカホンの音に影響してきます。

 

上の記事では、無垢材よりもエンジニアードウッドと呼ばれる「人によって作られた材料がオススメです」という締めくくりになっていますが、紹介したエンジニアードウッドの種類も少なかったのでもう少し紹介していければと思います。

 

エンジニアードウッドの種類とカホンの材料

エンジニアードウッドには様々な種類があります。上の記事にあるような合板、集成材(積層材)、MDFのほかにも、ランバーコア合板、心材にパーティクルボードを使用した合板、心材にMDFを使用した合板、OSB、LVL、CLT、幅はぎ板などもエンジニアードウッドと呼ばれています。

この中で、合板以外でカホンの材料として使えそうなのは

・集成材(積層材)

・幅はぎ板

・ランバーコア合板

・MDF

・心材にMDFを使用した合板

このあたりでしょう。

心材にパーチクルボードを使用した合板とOSBはそもそもカホンには向きません。なぜなら側面からのビスの保持力がほとんどないからです。

CLT、LVLは大規模な建物を作る際に使われる材料となりますのでカホンに使われることはありません。

 

ちなみにパーチクルボードを使用した合板はこれです。
ホームセンター等で手に入る「カラーボックス」に使われている材料はほとんどこれです。
軽くて見た目はイイですが、耐久性がひくいです。
(長年使っていたり、大きい負荷がかかると簡単に歪みます)

LVLはこんなのです。主に棒の形状で使われます。

 

カホンに使えそうなこれらの材料ですが、合板以外の材料を選ぶとどのようなデメリットがあるのか、次の項目で説明してきます。

 

合板以外のエンジニアードウッドをカホンに使うデメリット

ここからが本記事の本題となります。

合板以外のエンジニアードウッドをカホンに使うデメリットを紹介していきます。

 

集成材(積層材)

最初に集成材ですが、これのデメリットの1つに「重さ」と「値段」、材料が薄くなると出てくる「反り」があります。

集成材とは、無垢板のブロック(ラミナーと呼ばれます)を接着剤で貼り合わせて作られています。

この素材は、基本的に20㎜~ぐらいの厚みからがメインとなります。

20㎜の板で作ると、なかなかの重さになります。外寸から作成すると、材料の厚さ分中の空洞もその分若干狭くなるので低音にも影響が出てきます。

それ以降は薄くなればなるほど加工が難しいので高価に、厚くなればなるほど体積が大きくなるので高価になっていきます。

私は、15㎜ぐらいの厚みで作ることを推奨していますがなかなかこのサイズの集成材を手に入れるのが難しいです。

また、無垢材の張り合わせなので、薄くなればなるほど木の特徴である「反り」のリスクを負う事となります。

さらに細かいことかもしれませんが、板を撫でると若干モコモコ感を感じます。このモコモコ感は貼り合わせている1個1個のラミナーが湿度や温度で膨張や収縮、反りを起こしているためです。

このモコモコによって、ぴったり接着剤がくっつかないリスクもわずかですが見ておいた方が良いです。

 

幅はぎ材

幅はぎ材とは、無垢の板を張りあわせて作られた幅の広い板の事をいいます。

無垢材の良さと悪さをそのまま活かせる素材となります。

幅はぎ材のデメリットは、「反り」と「割れ」です。

特に反りが大きいと作成時に苦労します。垂直に板を立てて接着する際に反りのおかげでガタや隙間がうまれるためです。

作成前に材料を大型のプレーナーなどで慣らすことが出来ればよいですが、材木屋、加工屋、家具屋でもない限りそれは難しいと思いますのでカホンづくり初心者の方は苦労する可能性があります。

また割れですが、板の端っこの方にビスをうつと板が割れてしまう可能性が高いです。(これは集成材にも言えることですが)

幅はぎ材でカホンを作ったことがあるのですが、最初の箱作りの段階で材料に微妙な反りがでており、それが原因で作成に難儀したことがあります。わずか数ミリですが、カホンづくりにはそのわずかな誤差すらも作りづらくなる重要なポイントなんです。

 

ランバーコア合板

ランバーコア合板とは、表面はベニヤ板、心材(中身)にファルカタという木を貼り合わせた材料となります。

この材料を使う事のデメリットは、音です。

ファルカタはとても軽い木で加工もしやすいのですが、いかんせん締まりのない低音になってしまう事は否めない感じです。

ランバーコア合板は通常の合板よりも安価で購入できるため、この材料で作られる方も結構いるみたいです。

ただ、私がカホンを作り始めた数年前のネット上では「なんだか音がいまいちな感じ」という意見もちらほら見かけられました。(今ではその記事自体が見つけられなくなってました…カホンづくりの参考にさせていただいていたのですが…)

これは素直に材料と音質の問題ですね。材料自体は一応合板なので反りや割れの心配はありません。

加工のしやすさや値段だけでいえばそんなに悪くはないかもしれません。

でも、せっかく作ったものの音がイマイチだったら嫌ではないですか?

 

MDF・MDFを心材に使った合板

MDFは木の繊維をボンドで固めた板となります。

MDFを使う事のデメリットは「ねじの効きづらくなりやすさ」にあります。

どういう事かというと、2、3回同じところにビスをまわすとビス穴がグズグズになってしまい保持力がまったくといってほどなくなってしまうという事です。

私の中ではMDFは木というより接着剤のかたまりという印象が強く、加工性や音質はそこそこいいのですがなんせ耐久性が無いというポイントが気になっていました。

打面のねじを浮かせたり、一切の調整をしないようであればいいかもしれませんがせっかく作ったのであればいろいろカスタムしていきたくないですか?

すぐにねじ穴がぐずぐずになったらそれもままなりません。

 

誤解の無いように書いておきますが別に、私はMDFが嫌いなわけではありません。

実際に私は自作スピーカーと、車のスピーカーのバッフルボードをMDFで自作したことがあります。特にバッフルボードは音がグッとひきしまり感動した記憶があります。(今ではその車は売ってしまいましたが)

スピーカーやバッフルボードなど、基本的に作った後にいじらないものには非常に向いています。

要は、適材適所だと思うのです。

 

まとめ

合板は、今回紹介してきたエンジニアードウッドのデメリット「反り」「割れ」「ビスの効き」「音質」をすべて回避することができます

その証拠に、市販されているカホンのそのほとんどが合板で作られていますよね。

そのほかの材料も、他の用途であれば素晴らしい役割を果たせるのですがカホンには不向きではないかと感じます。

要は「適材適所」という事ですね。

 

材料選びから間違えると、作成に苦労する可能性があります。

最初は是非合板で作ってみることをオススメします。

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