カホンの自作をキットなどを使わず「まったく何もない0の状態」からお考えであれば、ワイヤータイプよりもスナッピーを使ったタイプを作ってみることをオススメします。
なぜなら、必要工具が少なく、作成難易度が低め、材料代も安く上がるからです。
ワイヤータイプの場合、最低でもワイヤーをかしめるための圧着工具、ワイヤーロープスリーブ、ターンバックル等が必要になります。
それに対してスナッピータイプであれば、一番簡単な取り付け方法だったら100均に売っているニッパーだけで済みます。
ゆえに、何もない状態から自作をお考えであればスナッピータイプの作成をオススメします。
作業時間も総じて短くて済みますし、自作であれば後からワイヤータイプに改造することもできます。
側面に穴を開けて背面も打面にしてスナッピーとワイヤーの両打面にするなんてことも可能です。
今回は、初めてのカホン作成にスナッピータイプをオススメする理由とスナッピーの当て方を紹介していきます。
目次
初めて作るならスナッピータイプがオススメ
先ほども説明させていただいた通り、スナッピータイプを最初にお勧めする理由は3つあります。
- 必要工具が少なくて済む
- 作業難易度が低め
- 材料代が安く上がる
それでは、1つずつ見ていきましょう。
1、必要工具が少なくて済む
スナッピータイプは必要工具が少ないです。
なぜなら、買ってきたスナッピーを半分に切る為のニッパーと、スナッピーを取り付けるためのプラスドライバーだけで取り付けができるからです。
それこそ100均に売っているようなニッパーでも十分事足ります。
それに引き換え、ワイヤータイプだと下のような「圧着工具」が必要不可欠です。
こんなやつです。
果たしてカホンを作る為だけにこの工具を買うのか?という事です。
すでにお持ちであればこの項目はクリアですが、もし持っていないのであればこれらを必要としないスナッピータイプの方が作りやすいといえるでしょう。
2、作業難易度が低め
2つ目の理由としまして、作業難易度が低めという事があります。
ワイヤータイプ作成において壁となるポイントは、「ワイヤーの取り付けパーツの作成が大変」「ワイヤーがきちんと当たらないと気持ち悪い音が鳴る」という2点にあります。この2点が作業の難易度が高い原因です。
「ワイヤーの取り付けパーツの作成が大変」
まず、1点目、ワイヤータイプはワイヤーを取り付けるためにパーツに大量の穴を開ける必要があります。この作業が地味に大変で、ドリルに慣れていない方はまず真っすぐ穴を開けることが出来ないでしょう。
ドリルガイドというものを使えば真っすぐ穴を開けることが出来ますが、先ほど同様カホンを作る為だけにこのドリルガイドを買うか?と言われると微妙な気持ちになりませんか?
普段から木工をされる方であれば、とても役に立つ工具の一つではありますので手元にあってもいいと思います。
私も実際に使っているのですが、かなりオススメできる工具の1つになっています。
ちなみにドリルガイドはこのようなものです。お手持ちの電動ドリルやインパクトドライバーでも真っすぐな穴あけが可能になります。
この工具は太さ4㎜~12㎜までのドリルに対応しています。
真っすぐ穴を開けるのが難しい、これが1つめです。
「ワイヤーがきちんと当たらないと気持ち悪い音が鳴る」
2つ目は、打面裏にきちんとワイヤーを当てられないと気持ち悪い音がしてしまう点です。
ワイヤータイプのカホンを0から作ったことがある方から「なんだかビンビン気持ち悪い音が鳴るんですけど、どうしたらいいですかね?」という問い合わせを受けたことがあります。
これの原因が、「打面裏にワイヤーがきちんと当たっていない」でした。
ワイヤータイプのカホンを作られる方の多くが、ワイヤー太さ分だけ微妙に奥まって取り付けパーツをつけてしまいがちですが、これだときちんとワイヤーの裏に弦が当たりません。
すると、叩いたときにワイヤーのテンションに応じた不快な金属音がなります。
これを回避するには、ワイヤー取り付けパーツの位置調整をするか、ワイヤー自体をビニールテープ(オリエンテープ)のようなもので直接打面の裏に貼るという方法があります。
なんにしても、打面裏にワイヤーをきちんとあてるのが難しいと私は思います。
これが2つ目の理由です。
それに対し、スナッピータイプはその心配がありません。うまい具合に打面裏にスナッピーを当てるだけでそれなりを音を作ることができます。
スナッピータイプの方が作成難易度が低く、失敗もしにくいです。
3、材料代が安く上がる
3つ目の理由が比較的「材料代が安く上がる」点です。
スナッピータイプの取り付けは、半スナッピーをそのままカホンの中に取り付けるだけでもそれなりの音が出せたりします。これに使用するものはスナッピー1枚だけです。
それに対して、ワイヤータイプに必要な材料は
- ワイヤー か ギターの弦
- テンション調整用のターンバックル
- ワイヤー、ギター弦に輪っかをつけるためのワイヤーロープスリーブ
これらが最低限必要です。
下手したらギター弦の金額だけでスナッピー1枚の値段を上回ってしまいますよね。
材料代が安く上がるという点でもスナッピータイプがオススメです。
スナッピーの当て方による音の印象の違い
さて、そんなスナッピータイプですが当て方によって音の印象が変わります。
スナッピーを当てる角度と面積でバズ音のなり具合を変えることができるからです。なのでスナッピータイプだからつまらないとか、そういったことは決してありません。
むしろ、自由度でいったら圧倒的にスナッピータイプの方が上です。
この項目では、そんなスナッピータイプの当て方による音の印象の違いにについて紹介させていただきます。
1、1つだけカホン上部から当てる
カホンで良くあるタイプの当て方で、市販のカホンや自作キット等に多いタイプですね。
カホンづくりのワークショップで作られるカホンはこのタイプが多いです。
カホン上部にビスで取り付けるだけです。アンコを挟むことで微妙に角度をつけたりできるのでアンコしだいで音の性格を変えることが出来ます。
音の特徴
それなりに響きますが、半スナッピー1枚だと少し物たりないような感じもします。
以降はこのタイプとの比較で感想を書いていきます。
2、2つをカホン上部から当てる
特徴
1の半スナッピー2枚バージョンですね。
こちらもカホン上部にとりつけるだけなので作業は非常に楽です。
音の特徴
1よりもバズ音の存在感があります。簡単に作るのが目的であれば一番お勧めの当て方かもしれません。
アンコに角度をつけたり距離を離したりすることで、左右でスナッピーの当て具合を調整出来たりと自由度も高めです。
3、2つ箱の側面から当てる
特徴
上からではなく、横から当てたらどうなるんだろう??そんな疑問から実験してみました。
結果は・・・
音の特徴
叩くたびになぜか、気持ちの悪い金属音がギンギンビンビン鳴ります。おそらく、スナッピー同士が重力で干渉しているのではないかと思います。
なので個人的にはあまりオススメしません。
同じように1枚まるまるスナッピーを横に当てたことがあるのですが、私はうまくいきませんでした。
気持ち悪い金属音に耐えられない感じになりました。
4、打面に対して下から当てる
特徴
図にすると分かりやすいと思います。当て方でスナッピーの位置、角度、当てる強さの調整ができます。
音の特徴
下から当てるパターンだと、主にローを叩いた時にバズ音が強調されます。
どこを叩いてもバシバシ鳴るようにするには一番いいです。
5、打面に対して上から当てる
特徴
4とは逆に上から当てるように調整できるタイプです。
当て方によって、ハイを叩いた時だけ響かせたり、ローの時も響かせたりの調整ができます。
音の特徴
上から当てるパターンは「ハイを叩いた時だけバス音が欲しい」人に向いています。
スナッピーの上部だけ当てるように調整するとローであまり響かなくなるので叩き分けする人にオススメです!
逆に、浅い角度で優しく、まんべんなく打面にスナッピーが当たるようにするとどこを叩いてもバズ音の存在を感じるようにもできます。図にすると下のような感じですね。
取り付けるパーツを作るのが少し面倒くさいかもしれませんが、自由度は一番高めなので私的にはこれが一番オススメだったりします。
以上が、スナッピーの当て方による音の印象の違いでした。
1台自作してしまえば、その後のカスタムの難易度はグッと下がります。なぜなら構造と音のなる仕組みを理解できるからです。ガワがあればワイヤータイプへのカスタムも楽になりますよ。
ガワがあればワイヤータイプへのカスタムも楽
スナッピータイプのカホンを自作で1台作ってしまえば、ワイヤータイプへのカスタムも楽ちんです。
ガワさえあって、構造さえ理解してしまえばワイヤータイプへの換装、もしくはサウンドホールを側面に開けて背面も打面に変え、両打面のカホンにすることもそう難しくはなくなります。
ワイヤータイプに換装するには、こちらの記事を参考におつくり頂けるとわかりやすいかと思います。
まとめ
今回は、キットなどを使わず「0」から作るのであればスナッピータイプがオススメな理由を紹介させていただきました。
「カホンと言えばワイヤーが張ってあるタイプだろ!」という方も多いかと思いますが、ワイヤーのタイプは0から作成するには少し難易度が高いと感じます。
初めてであれば1度スナッピーのタイプに挑戦してからでも遅くないかと思います。
構造と、音のなる具合を把握してからワイヤーパーツを取り付けることで調整の知識の幅も広がります。
ワイヤーパーツに比べて必要な工具が少ないのもポイントの1つです。
今回紹介させていただいた取り付け方法だけでも様々な音の変化を楽しめますので、0からカホンを作られるようであれば是非スナッピータイプの作成を検討してみてはいかがでしょうか?
スナッピータイプの詳しい取り付け方法はコチラの記事にもまとめてあります。ぜひご覧くださいませ。
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